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ムーブメントの原本「FIRE~最強の早期リタイア術~」から取り入れるべきメソッド

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本の概要

この本の著者は中国の田舎での極貧生活からスタートし、カナダに移住しITエンジニアとして働きFIRE。その後は物価の安い国を織り交ぜながら一年中世界を旅し続けているとのこと。私だったらスタートラインで躓いてそうですが、この方はその経験が原動力になったと。

本の中では、著者がFIREする過程のどこかのシーンが必ず参考になるはずだと語られています。

本から学べる知見

本の中では、FIREに至るまでに

  1. 仕事を選べ
  2. 借金はするな
  3. 自分にあったお金の使い方をしろ
  4. 家は建てるな
  5. インデックス投資をやれ
  6. FIREに至るための参考指標

といったことが述べられています。

仕事を選べ

これは自分というより子供に教えていきたい項目です。この考え方によると、私の仕事チョイスはミスっています(笑)

高校生の頃を思い出すと、自分のやりたいことを実現するために就職先や進学先を探していましたよね。しかし、この本ではコスパよく稼げる仕事を選び経済的に安定してからやりたいことに情熱を傾けろとのこと。

著者はPOTスコアという考え方をされていますが、

POTスコア=給与の中央値と最低賃金の差額/学位にかかった総費用

この数値が高いほど学位が収入に与える費用対効果が大きいと。つまり、資格を取得するための授業料は安ければ安いほうがいい、時間は短ければ短いほうがいい。得られる給料は高ければ高い方がいいということです。医者や弁護士のような給与水準の高い仕事だったとしても、資格を取得するまでの費用と時間が大きければ資金回収に時間がかかり、世間が思うほど経済的な余裕があるわけではないということです。

私はリハビリの仕事をしていますが、リハビリ職の年収は中央値が400~500万、最低賃金は350万程度。資格取得にかかる費用は当時で500万前後、3~4年の学習期間が必要でした。POTスコアは0.1~0.3とかなり低い部類に入ります。

借金はするな

これはFIREを目指していなくても通じることですね。借金にも投資にも複利の力が働きますが、72の法則を覚えておきたいです。

72の法則とは、投資や借金の年利を72で割ると、元本が倍になる期間を導き出せるというもの。1000万円を年利4%で運用すると、18年で倍の2000万円に到達することになります。これが投資なら良いですが、借金になると恐怖しかありませんね。

「お金=時間」とはよく言われますが、ローンを組む時は将来の自分の時間を切り売りする価値があるかどうか、しっかり考えたいものです。

自分にあったお金の使い方をしろ

支出を幸福感という観点からみると三つの種類があるとのこと。

・基礎的な支出:家賃や電気代などの固定費。幸福感には影響しない。

・ご褒美:幸福感を満たしてくれる、たまにある支出

・想定外の費用:問題が発生した時に対応する費用で、幸福感を低下させるもの

この3種類を、自分にあった形に調整するために、

  1. 基礎的な支出の削減
  2. 維持費のかかる所有物を減らし、想定外の費用を可能な限り削る
  3. 自分へのご褒美のための支出を増やす

基礎的な支出は一度見直すだけで節約効果の出るものが多いです。スマホを格安SIMに変える、電気の事業者を変更する、利用頻度の低いサブスクを解約するなどです。動き出すまでが面倒くさいですが、見直して支出を減らせると気分的にもすっきりします。

この本では、できれば痛みの伴う基礎的支出も削減したほうがいいとのこと。例えば車→自転車にするなどです。最初は不便に感じるが、しだいに慣れてくるものだそうです。ここは人それぞれですね。

次に維持費のかかる所有物を減らすことですが、私の場合は車です。著者の考えでいうと、良い車を買えばその付加価値を保つために神経を削り、お金もかかると。そしてどんなに良い車を買っても、最初の一台を手にした時以上に興奮を覚えることはないとのこと。これは確かにそうで、思い返してみると一番記憶に残っている車は最初に買ったボロボロの車です。

最後に自分へのご褒美のための支出です。①・②を出来る限り削り、ここへの支出を増やすことがポイントとのこと。欲しい物を買うのではなく、旅行やコンサートなど経験をご褒美とすることで幸福度もあがると説明されています。これは物欲が強いうちは腹落ちしない考え方ですが、物欲が落ち着いてくるとよく理解できます。物欲が強い人はある程度は物にお金を使わないと考え方を変えるのは難しい気もします。

家は建てるな

私は家を建てているので当てはまりませんが、家は本当にお金がかかります。家を建てることは住宅へ投資することと一緒です。特に日本ではほぼ全ての家は築年数が経つほど価格が下がっていき資産価値がなくなります。よく持ち家vs賃貸論争がありますが、お金の面で言えば圧倒的に賃貸の勝利だと思います。

個人的には、家を建てないとできないことがあるのであれば建ててOK、そうでなければ賃貸の方がいいと思います。

「子供ができて狭くなったから」、「まわりの友人も建てているから」、「自分の城がほしい」といった程度なら、今より広いマンションへの引っ越しで十分かなと思います。少し割高になりがちですが、戸建ての賃貸も選択肢にいれた方がいいと思います。

インデックス投資をやれ

インデックス投資とは株式市場全体の成長にかける投資法です。誰がどのタイミングで投資をはじめても、再現性高く資産の増加を狙えます。堅実にFIREを目指す手段として紹介されています。私も全世界株式という世界全体の株式に投資するインデックス投資を選択しています。

インデックス投資をはじめるにあたり、まず問題になるのが資産配分です。著者は現代ポートフォリオ理論を参考に株式と債券に資産を配分しており、基本的な考え方は参考になります。

著者の資産配分は株式:債券=6:4です。株価が暴落すると債券に資金が流入する傾向を利用して、株式の比率が下がれば債券を売って株を買い、6:4の比率に保つように行動しています。これをリバランシングと呼びますが、うまく調整できるように比率は8:2までに設定した方が良いとのことです。

リバランシングは簡単なように感じますが、株価暴落時には自分のポートフォリオは-10%、-20%とどんどんマイナスが膨らみます。そんな中でさらに株式を買い増すのは精神面にかなりのストレスがかかると思います。感情抜きに最適な行動をとるためには、他の本も読んで深く理解しておいたほうがいいと思います。

FIREに至るための参考指標

「4%ルール」

これはS&P500という指標を対象にしたルールです。リタイア後から亡くなるまでの間、年間の生活費が投資ポートフォリオの4%と等しい金額であった場合、95%の確率で30年以上老後資金が枯渇しないという法則です。私が投資している全世界株式という投資には適応されませんが、低率で取り崩していくという考え方は参考になります。ちなみに4%ルールに則ると、リタイアに必要な資金は生活費×25年だそうです。

「リタイアまでの年数」

リタイアまでの年数は貯蓄率で決まるとのことです。貯蓄率が高ければ期待リターンが低い投資を行っていても短い期間でリタイアに至れます。貯蓄率が低くなると投資の期待リターンが高くても長い時間を必要とします。貯蓄率を高め、将来の時間をお金で買うというのが早期リタイアの手法とのことです。

FIREを目指していなくても、自分や配偶者がパートになるなど選択肢を検討するのに役立ちます。全世界株式に投資している場合、リターンは4%程度とみておくと、リタイアまでの年数は

  • 貯蓄率15%→50年
  • 貯蓄率20%→45年弱
  • 貯蓄率25%→35年
  • 貯蓄率30%→30年
  • 貯蓄率35%→25年

となります。貯蓄率が低い層は、貯蓄率5%UPでリタイアまでの期間が5年以上短くなります。夫婦どちらかが仕事をやめるのが目標であれば、必要な年数は半分になります。

「暴落への対策」

コロナショックやリーマンショックのように、予想しないタイミングで株価が大暴落することが今後も必ずあります。過去の事例を参考にするのであれば、株価が回復するまでの期間は最長で5年。つまり暴落への対策として、生活費5年分を現金でもっておけばよいことになります。

年間の生活費が400万円だとすると、400万×5年=2000万円ものお金が必要になるわけですが、その対策として、著者は一部を高配当株ETF等の配当金でカバーし、必要資を減らしているそうです。

定年退職後のことを考えるのであれば、参考になる考え方だと思います。定年後は今よりも生活費が下がります。我が家では定年後の生活費は250~300万と考えています。すると必要な現金は1250~1500万円になります。年金を加味するとさらに少なくなりますが、老後資金の配分として、現金がこのくらいの額になるように配分を調整すると良いと思います。

ETF等の配当金については、ポートフォリオのリターンがマイナスになった時の恩恵はありますが、管理は複雑になります。一長一短です。

最後に

FIREという考え方には賛否両論ありますが、著者のFIRE後の生き方はとても輝いて見えます。それは著者が本当にやりたい事を最優先に実践できているからだと思います。

ただ、4%ルールなどの数値はあくまで過去のデータをもとにした見解です。過去にうまくいっていたからといって未来もそうなるとは限りません。アメリカ自体も長期的には没落していくはずです。データは参考指標程度に捉えておいた方がいいと思います。

今回のブログでは取り上げませんでしたが著書の終盤にワールドスクーリングという概念が紹介されていました。オンラインスクール等で知識を補完しながら世界を旅行し、現地の歴史に触れ直接学ぶといった感じだそうです。私は初めて聞きました。自分にはできませんが、子供の育て方としてとても興味深い取り組みだと感じました。

ABOUT ME
AKIWAN
AKIWAN
リハビリ技士
二児の父。リハビリ技士として10年以上の経験があります。高齢者との関わりを通して、100歳まで元気に生きるにはどうしたらいいのか探求しています。 2023年から投資もスタート。子育ても日々勉強中です。
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